ブランドクリエイティブ部 大場 愛

皮膚科学を知り尽くしているからこそ注目する、気象環境とスキンケアのこれから。

ブランドクリエイティブ部
大場 愛

皮膚科学や人を多面的に捉える研究などに研究員として携わったのち、2017年からは肌分析開発を基軸にしたブランド開発の担当に。皮膚科学・データ・スキンケア知識のすべてに精通したポーラ美容のブレーン的存在。

ポーラの研究が、驚きに満ちているのはなぜ?

私はもともと研究員として、表皮角層や真皮コラーゲンなどの皮膚科学や、エステに関連した自律神経・脳・心理など、「皮膚だけでなく人をまるごと観察する」といった研究領域に関わってきました。肌分析のアルゴリズム開発も、長く携わっているプロジェクトのひとつです。
私が若手の頃から、学会などで会う他社研究員の方たちに「こんな発想はなかった」「よくここに目をつけましたね」などとポーラの研究について驚かれることが多くありました。ではどうしてポーラはそんな研究ができるのか? 今日は私なりに感じている背景を話したいと思います。

ひとつは、研究所に所属する人の数がものすごく多いわけではないことが幸いして、業務範囲が分業化されすぎていないこと。研究員は研究だけにとどまらず、商品化にも携わり、時には販売支援まで、責任をもって関わっています。だからこそテーマ設定の時点で、「肌のこんな謎が解明されたら喜ばれそう」「こんな商品ができたらいいな」という、生活者やユーザーに近い視点で発想できるのだと思います。
もうひとつは、昔から一貫して、「肌本来の機能を発揮させる」という研究姿勢がベースにあること。肌の変化に対して「足りない何かを外部から足す」のではなく、肌そのものを見つめ、肌で何が起きているのかという根本を追求するのがポーラのやり方。実はこの地道なアプローチこそが、常識を超えるような着眼点、ちょっと驚かれるような商品開発へと結び付いているのだと感じています。

気象環境が激変。スキンケアにも新視点を取り入れて。

私がアルゴリズム開発に関わってきたポーラの肌分析も、そんな研究姿勢が表れているひとつ。ポーラの肌分析は肌そのものだけでなく、肌を取り巻く気象環境との関連性もとても重視しているのですが、表皮・角層の研究者として、さらにアルゴリズム開発に携わったものとして、近年気になっているのが日本の気象環境の大きな変化です。皆さん感じていらっしゃるように、近年の日本は従来の四季とは様子が変わってきました。春や秋が短くなり、一気に夏、一気に冬がやってくるような…。実はこの急激な温度や湿度の変化に、肌が従来のように対応できず、さまざまなトラブルを起こしている可能性があるのです。

例えば急に温度や湿度が下がると、肌から水分が奪われないようバリア機能を高めるため、ターンオーバーが早まります。本来なら一段階ごとに必要な部品をつくって上に押し上げられていく表皮細胞が、準備の整わない未熟な姿のまま角層細胞になり、バリア機能を担わされてしまうのです。また、肌が乾燥するとそれを補おうと皮脂分泌が盛んになります。その皮脂が長く肌の上にあると酸化して炎症を起こしたり、ターンオーバーの乱れでゴワついた角層細胞と混じり合って角栓になったり、ニキビができやすくなったり…さまざまなトラブルの原因に…。季節が急激に変化するようになった今、肌の状態を知ることは、より大切になってきたと感じています。まずはぜひ、特に変化が大きい季節の変わり目となる3ヶ月ごとを目安に、肌分析を受けてみることをおすすめします。

また、今現在、春から初夏の肌環境でいうと、花粉や黄砂やPM2.5などの肌への悪影響も注目を浴びるようになりました。これに対しては、帰宅したらきちんと汚れを落とすことが第一。①まずは手をきちんと洗って手についた汚れを落とす ②顔をぬるま湯で予洗いする ③洗顔料をしっかりと泡だてる ④手と顔の間に泡のクッションを感じるくらいのタッチでやさしく丁寧に洗う ⑤丁寧にすすぐ を心がけましょう。もうひとつ大切なのは、汚れを落とそうと洗いすぎたり、必要なうるおいまで奪わないこと。ポーラは「汚れを落とし必要なうるおいを残す」という処方開発にとても力を入れています。研究に裏打ちされた洗顔料は、特に洗顔が大切なこの時期に使っていただくと、「なるほど」と感じていただけると思います。

泡立て

手と顔の間に泡のクッションを感じるくらいしっかりと泡立てる

Tゾーン

泡をお顔にのせる順番も大切。皮脂が多くマイクロダスト※が付着しやすいTゾーンからスタート。

蓄積したデータで、さらなる変化や未来へ対応したい。

気象環境の変化が激しい今、肌がどんな状態になっているのか、新たにどんなお手入れが大切になってくるのか。それを整理し、有用な情報の提供やお手入れ方法を提案していくことは、気象と肌をデータとともに見つめてきた私にとって、この先の大きなテーマだと感じています。AIや最新の機器の活用はもちろんですが、それができるのは、ポーラが35年以上前から肌分析を通して蓄積してきた肌のデータがあるから。
ポーラ独自の財産でもあるこのビッグデータをもとに、これからもお客さまに役立つさまざまな情報を開発してお届けしていきたいと考えています。気象環境の変化に先手を打つ、そんな情報にどうぞご期待ください。

肌分析の結果画面

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