続けたくなる目もとケアを目指して、
使い心地までとことん追求。

仁王 厚志

内容物開発担当

B.AやRed B.Aといったポーラを代表するスキンケアブランドの内容物開発、さらには処方の基礎研究に深く携わる。クリームやミルクなどの乳化の処方開発を得意とし、その分野のリーダー的存在でもある。

お客さまが肌で感じられる処方研究を。

私が企業の研究員としてこだわっているのは、ひとことで言うと「お客さまが肌で感じることのできる研究であること」です。
大学など学術の世界では、10年、20年先といった未来の世界をより良くするための研究が行われています。私たちも未来に向けた研究を行っていますが、短い時間軸で人々の生活の質や化粧品を使用する時の嬉しい・楽しい体験をどんどんアップデートしていくことも大切です。そういった意味で、商品開発を中心に行う企業研究の領域では「今よりも良いもの」を生み出すことも大きな使命。学術研究に比べれば、もちろん研究時間は限られますが、だからといって自分自身が少しでも疑問のあるものは、絶対に世の中に出してはいけないと思っています。

「この点は、とことんこだわった」と胸を張って言える研究結果を出すこと、しかもそれが独りよがりではなく、お客さまが使われた時に「なるほど、ここが違うのね」と感じていただけることがゴールだと思っています。だからこそ、初代B.A アイクリームに続いて担当した今回の新しいB.A アイゾーンクリームでは、改めて、その感触にこだわり抜きました。

2つのエマルションを融合させる複雑な処方設計。

一般的にアイクリームは「保護力は感じるけれどベタつきが気になる」「なじみはいいけれど物足りない」というような声が聞かれがちなアイテムです。しかも、ニューノーマルな生活で目もとが目立つここ数年は、ケアへの期待感がより高まりましたし、即実感を求められるようにもなりました。そのようにハードルが高まるなか、新 B.A アイゾーンクリームが目指したのは、浸透感と密着感のさらなる進化です。「手にとった時はリッチなコクのあるクリームなのに、肌にのばすとスッと溶けるようになじみ、そこからテンションオイルが溶け出し、グッとストレッチするように密着してハリ感を感じる」という、ダイナミックな感触変化を目指しました。

実はこの感触変化を出すためには、とても複雑な処方設計を採用しています。最初に、ハリ感を目指すためのテンションオイルを、できるだけ贅沢に抱え込ませるエマルション(1)を開発。次に肌になめらかに溶け込ませるためのエマルション(2)を開発。最後に絶妙なバランスをとりながら(1)を(2)で包み込み、目的に合ったところでそれぞれの感触実感が得られることを目指しているのです。

CHECK!

段階的に感触を変化させ肌と一体化しながらコクのあるクリームがのび広がり、溶け込むような浸透感からストレッチするような密着感へ感触が変化します。
従来品よりも、肌への浸透感と密着感の両方が進化しています。

1つのエマルションで作られる一般的なクリームに比べると、開発も製造も、2〜3倍の手間暇がかかるアイテムなので、企業としてここまでこだわるのは効率が悪いのかもしれません。ですが、期待を込めて買っていただいた商品なのに、「感触がイマイチ」という理由で使い続けていただけない=魅力的な商品を体感いただけないのは、開発者としてあまりに残念です。だからこそ、お客さまと商品の最初の接点である感触設計は、ポーラにとってとても大切な要素なのです。

化粧品の研究にも使用にも、男女差はない。

今回のB.A アイゾーンクリームは、私ともう1人の女性研究員が中心になって開発しました。試作品は、最後のエマルションを組み合わせた段階のものだけで100以上にも及びましたが、そのすべてを男女の差なく2人で毎日使用してテストしました。ちなみに私は初代の開発の時も、左目だけに使用する実験にトライ。自分自身でしっかり体感することを心がけてきました。

ポーラの化粧品開発には「女性用だから女性が開発する」「女性だけが感触を確かめる」という感覚はありません。B.A アイゾーンクリームに限らず、男性研究員もしっかりと自分の肌で体感したものをお客さまにお届けしています。

デジタルデバイスに触れる時間が長くなったこの時代、目もとへのストレスは男女共通。女性はもちろん男性の皆さんにとっても、新 B.A アイゾーンクリームが「これがあるから、自信が持てる」という存在になれたら、とても嬉しく思います。

2022年10月1日発売

B.A アイゾーンクリーム N

26g ¥19,800(税込)

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