ポジティブな「自分時間」を手に入れる3つのヒント。時間と向き合う意識を変えれば「人生」が変わる/尾石晴さん

ポジティブな「自分時間」を手に入れる3つのヒント。時間と向き合う意識を変えれば「人生」が変わる/尾石晴さん

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31 MAR 2025

自由に使える時間がない、いつも時間に追われているという人も、時間の使い方を見つめ直せば、人生がきっと豊かに。満足のいく「自分時間」をつくるためは、まずは時間への意識を変えてみることが大切です。時間をどう使うのか考えるためのヒントを、音声メディアvoicyで人気の尾石晴さんに教えてもらいました。

イラスト:時間はみんな同じ24時間

「時間に向き合う意識」が変わったら、時間を大切に感じるように

私たちと同じように時間がないことに悩み、試行錯誤したうえに編み出した時間術を著書『やめる時間術』にまとめた尾石 晴さん。

会社員だったころはフルタイム勤務にワンオペ育児。やるべき家事や子どもの世話、減らない仕事に忙殺され、自分の時間が失われた生活を積み重ねていたといいます。

「家の中もぐちゃぐちゃ。なんとかきれいにしたいと思ったときに始めたのが、片づけの資格取得でした。学んでいくうちに、“すべて出す→選ぶ→戻す→維持する”というシンプルなステップは、目に見えるものの片づけにはもちろん、目に見えない時間の使い方にも応用が利くことがわかったんです。

同時に、時間がないと思っていたけれど、やらなくてもいいことに多くの時間を使っていたこと、使途不明な時間が多いこともわかって。時間に向き合う意識が変わり、もっと時間を大切に感じるようになりました」

自分の時間をどう使う? 「時間術」をポジティブに考える3つのヒント

尾石さんが考える時間術の、ベースにあるのはポジティブな考え方。

自分の時間をつくったあとにどうやって使っていくのかについて、考えるためのヒントを教えてもらいました。

時間術を考えるヒント01
時間はみんな同じ24時間

イラスト:時間はみんな同じ24時間

当たり前のことですが、大人も子どももみんな、一日は24時間しかありません。一日の始まりに時間の財布に24時間という時間が入ってきたら、全部使いきっても使わなくても、必ず没収されてしまいます。さらに借金もできないし、だれかにあげることもできません。24時間のうち睡眠、仕事、入浴、食事など生活に必要な時間を除くと、残った時間は何に使っているでしょうか?

時間の財布にいくら入ってきて、どのくらい使っているかをわかっていないと、時間の節約術など部分的なテクニックを取り入れても、満足のいく時間を継続的につくることはできません。よく時間をお金にたとえられますが、見ることができない時間はお金とはまったく違うもの。だからこそ時間はとても貴重なものだと思えると、時間の使い方の意識が変わってくると思います。

時間術を考えるヒント02
時間がない生活を選んでいるのは自分自身

イラスト:時間がない生活を選んでいるのは自分自身

社会的な役割(会社、パートナー、子ども、親、近所づきあいなど)が多ければ多いほど、自分だけではコントロールできない時間が増えていき、時間がないのは会社員だから、親だから仕方がないと理由をつけて諦めてしまいがち。多くの人が「仕事も家庭もどうにか回っている」という現状を維持するために、みずから無理をして忙しい毎日を選んでいるように見えます。

ですが、元をたどればその仕事に就くこと、結婚をすること、子どもを持つこと、その地域に暮らすこともすべて自分が選んでいること。選んでいる自分がダメという自己責任論ではなく、選んだということはコントロール権があり、自分がもう一度すべて選び直すことができるという可能性にあふれています。

「時間がない」という危機感がある状態では余裕がなくなり、人のアドバイスが耳に入ってこないし、改善しようという意欲すらわいてきません。もしそんな生活を送っていて、何かを変えたいと思っているなら、まずは自分の置かれている状況を冷静に俯瞰してみて。余裕がある自分に戻るために時間をつくれるのは、自分しかいません。視野を広げて、少しずつ変化を加えていきましょう。

時間術を考えるヒント03
時間の選び方が自分の人生になる

イラスト:時間の選び方が自分の人生になる

「幸せになりたい」という人が多くいますが、幸せはどこか特定の場所にあって、たどり着くものではありません。

自分の時間の使い方、つまり毎日の生活のなかで幸せだなと感じることをどのくらい重ねてきたかによって、最終的に幸せだったと思いながら人生を終えられるかどうかが決まるのだと思います。

ときには体や心を壊してまで自分の時間を差し出して、家族のためにがんばりつづけてもだれも幸せにならないし、やるべきことだけやっていても、満足することはできません。

ミヒャエル・エンデの『モモ』に「忙しいけど、なんだか充実感がない、このままでいいのか?」という一節がありますが、そういった不満や不安は、自分の時間をコントロールできていないことによって生じます。

毎日、当たり前のように24時間がやってきますが、日々の過ごし方を10年、20年、30年と積み重ねていくことによって、最後に自分がどう感じるのか。時間の使い方は、そのまま自分の人生、生き方や価値観に直結しているのです。

イラスト:植松しんこ
取材・文:赤木真弓

尾石 晴(おいし・はる)

外資系メーカーに16年勤務後、独立。音声メディアVoicyにて「学びの引き出しはるラジオ」のパーソナリティーを務める。(株)ポスパムの代表として、オンライン・スタジオヨガ「ポスパム」、母と子のシェアコスメ「soin(ソワン)」の運営も。現在は大学院博士課程に在籍中。著書に『やめる時間術』(実業之日本社)ほか多数。小学生2児の母。

この記事は、扶桑社『天然生活』(初出日:2024年12月29日)より、アマナのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、pola_web@pola.co.jpにお願いいたします。

本記事は 別冊天然生活『暮らしのまんなか』vol.40(扶桑社)からの抜粋です

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