
透明感を奪う、「くすみ」問題
徹底解説。
透明感のある肌って何が違うの?と思ったら、それを奪う要因についても知っておくべき!原因も正体もいまひとつわからない。他の人と自分では何かが違う気がするし、どこか掴みどころがない・・・。そんな透明感を奪う「くすみ」について、皮膚科学の目線で解説します。
くすみと言えば、黒、黄、赤。
3つが重なるとさらに複雑な色味になることも。

透明感を奪う要因となるくすみの種類は本当にさまざま。代表的なのは、メラニンが要因の「黒くすみ」、糖化が要因の「黄くすみ」、炎症が要因の「赤くすみ」です。場合によってはそれぞれが重なりあい、さらに複雑な色味になる場合もあります。
紫外線、暑さ、冷房の寒さ、そして温度差。
肌環境が過酷な夏は、すべてのくすみが加速しがち。

夏の紫外線量の増加は、メラニン・糖化・炎症のすべてのくすみ要因に影響を与えます。その他、ポーラの実験では温度差による肌のストレスが大きいほど、日ヤケや肌アレがしやすくなるという結果が出ています。
黒、黄、赤。 3つのくすみ要因と、
透明感を守る対策を知る。
3つのくすみは、それぞれ肌のなかでどんなことが起こっているのか。要因がわかれば、対策も見えてきます。

紫外線や炎症などさまざまな刺激を受けたメラノサイトが活性化してメラニンが発生。肌に色ムラが起こり、全体的に黒っぽく濁って見えるのが黒くすみです。
メラニンの発生・黒化・集中
下の図のように発生したメラニンが、均一に散らばらず塊となって集まることにより、肌色にムラが生じて黒くすみになります。

対策
メラニンによる黒くすみに対して心がけたいのは、帽子や日傘などで紫外線や炎症から肌を守ること。そして抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eを含む食品を摂ること。メラニンを過剰に作らないよう、日々意識しましょう。

加齢により真皮中のコラーゲンにできる褐色の糖化物質(AGEs)と、紫外線によって角層にできる糖化物質(AGEs)。主にこの2つの影響で肌に黄くすみが生じます。

真皮・角層・汗の糖化
糖化とは、肌のなかで糖とタンパク質が結びつき、最終糖化産物AGEsが生成される現象。炊き立てのご飯が時間が経つと黄色く変色し、弾力をなくすのも糖化。そして、汗のタンパク質と糖が結びつくことで、汗も糖化しています。糖化した汗は毛穴目立ちに影響を及ぼすことも。
対策
糖化を加速させる糖分や甘味料の摂り過ぎに注意しましょう。特に果糖を抽出した甘味料は、清涼飲料水やスポーツドリンク、ドレッシングなど多くの食品に使われています。ウォーキングなどの軽い運動も糖化対策に効果的と言われています。

刺激で肌が炎症を起こしている赤くすみ。表皮で発生した活性酸素や血管を拡張させる物質が真皮に届き、血管を拡張。血液の赤色が肌表面に透けて見えている状態です。

炎症・バリア機能低下
肌のバリア機能を持つ角層が乱れると、隙間から紫外線などの刺激が入り込み、炎症が起きやすくなります。
対策
まずは炎症を起こさないこと。肌が敏感に傾きがちになっていると感じたら、炎症の原因となる睡眠不足に気をつけたり、紫外線対策をするなど、なるべく刺激を与えないようにしましょう。こするなどの物理的刺激も避けて。