意外と知らない糖化の真実と、糖化させない食事のヒント

健康のための糖質制限が浸透するにつれて、美容の世界ではエイジングに影響を及ぼす「糖化」という言葉が一般的になってきました。でも実際にどんな仕組みで糖化が起こるのか、どう肌に影響するのかをしっかり理解している人は少ないかもしれません。実はポーラは業界でもいち早く、エイジングの鍵をにぎる要素として糖化に着目し研究を続けてきました。

糖化の正体は分解も除去もされないやっかいなAGEs

ごはんやパンなど主食になる炭水化物(糖質)は、体を動かすエネルギーになる大切な栄養素ですが、食べすぎると脂肪として体に蓄えられ肥満につながることが知られています。さらに体内で過剰な糖とタンパク質が結びつくとAGEsという最終糖化産物が生成される「糖化」という現象が起こります。このAGEsは褐色で硬く、一度生成されるとヒトの力では分解や除去ができずに蓄積されていくという困りもの。糖化が起こると血液がドロドロになったり免疫力が低下したりという健康への影響だけでなく、肌のハリや弾力の低下、くすみなどの原因になることがわかっています。肌での糖化をわかりやすく例えると、白くてふわふわの食パンを焼くと硬く褐色になってしまったり、炊き立てツヤツヤのごはんを炊飯器に入れっぱなしにしたりすると、黄色く固くなってしまうようなイメージです。

AGEsは肌のあらゆるところで悪さをしている

角層でAGEsが生成されると、角層自体が硬くなりごわつきが起こります。しかも肌にこびりつき、通常の洗顔では落としにくい状態に。紫外線を浴びた4時間後には2倍も生成されるため、ターンオーバーでの排出も追いつきません。また、AGEs自体が褐色なので、肌が黄色くくすみます。
真皮への影響も深刻です。コラーゲン線維と糖が結合してコラーゲン同士が固まったり、AGEsに触れた線維芽細胞がダメージを受けたりすることで、ハリや弾力が低下します。
また、ポーラの最新の研究では、血管内皮細胞がAGEsに触れるとダメージを受け、血管が途切れることに着目しています。血管が途切れると栄養の運搬や老廃物の回収ができなくなり、くすみやハリのなさの原因に。さらに血管内細胞がダメージを受けると活性酸素がつくられて、真皮の糖化が加速することも考えられます。

食べ物や食べ方の工夫で糖化を体と肌から遠ざける

体や肌にさまざまな影響がある糖化。これを防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?
最初にお話したように、AGEsは一度作られてしまうと分解も除去もされないので、体や肌に溜まってしまいます。
だからこそ、AGEsを作らないことが最大の対策!まずは必要以上の炭水化物の摂りすぎに注意しましょう。スイーツや甘い飲み物などももちろん糖なので、こちらにも十分気をつけて。また、食事の方法を工夫することでも、過剰な糖の体内へ吸収を抑えることができます。その方法とは、食物繊維(野菜や海藻類)→タンパク質(肉や魚)→炭水化物(パンやごはん)の順を意識して食べること。これだけで、血糖値の急激な上昇と糖の吸収を抑えることができるので、ぜひ試してみてくださいね。

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