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ワインで磨く五感と表現力

ワインを味わうだけでなく、ワインを通じて出会える一期一会のコミュニケーション。そのツールとしての“魅力”に迫ろうという今回。スピーカーは、ワインスクールやショップを運営する松浦尚子さん。「皆さん、ワインをどう選んでいますか?好きな服が人それぞれ違うようにワインも自由に、どれが自分は好きかという視点を大切にしてください。まずは、自分の好きなワインのタイプを知ってみましょう」。ワインは日本酒と同じ醸造酒であるものの、その主成分を占める水を、日本酒は加えているのに対し、ワインは100%ぶどう果汁。そのため「ぶどうの品質がワインには深く関わります。ですから第一に、ぶどうの品種。そして、生産国や地方、ワインの醍醐味である香りの特徴やボリュームなどのワインの個性。この3つを意識すると自分の好きなタイプが見えてくると思います」
次に、銘柄を隠し3種の白ワインをテイスティングするワークショップへ。本格的なテイスティングの手ほどきを受け、いざスタート。「飲み比べて違いがわかっても言葉にするのは難しいんです。でも、そこを突っ込んで考えてみましょう。そのあとグループで話し合い、一番おいしかったワインを発表していただきます。そこで自分が感じたことを伝える力も磨いてほしいと思います」。シンとした中、グラスを傾けて色を見る人、くるくるして香りを確かめる人、口に含んで目をつむる人、誰の表情も皆真剣そのもの。続くグループトークでは、にぎやかなおしゃべりや笑い声で会場は和やかな空気に一変。ただ、話し合いは難航したようで予定時間を過ぎてようやく発表に。「2番は線のような酸味があり、バランスがよく飲みやすいと感じました。私たちは意見が割れて、発表者の私の好きな2番でいいと(笑)」「2番を押します。トースト系の香りがあってバランスがいいかな」「1番は香りが華やかで女子会によさそう。2番はパイナップル風の香りで、3番は香りも味も落ち着いた印象。私たちも意見が三者三様で…ひとつ挙げるなら平均点が高い1番を」「おいしいのは2番かと。ミントっぽい香りとフレッシュな酸味、オレンジ系の甘みを感じました」
最後は、ワインの種明かし。「1番はソーヴィニヨン・ブランで、産地はフランスのロワール地方。柑橘とハーブの香りが特徴です。今日好評だった2番は、オーストラリア産のリースリング。少し石油っぽい独特の香りがヒントで、あとりんごをコンポートしたような甘い香りがあって特に女性に人気です。3番は、チリのシャルドネ。アルコール度数が高く、熟した果実味、樽やバニラのような感じがあり、口に含むと丸みを帯びていてボリューム感がありますね」と松浦さん。「ワインはコミュニケーションツールというのが持論ですが、今日皆さんにも感じていただけたんじゃないでしょうか。これからも五感をフルに活用してワインを表現して、感性を磨いて、楽しい時間や場を周囲の方々と共有していただければうれしいです」