POLA TALKER'S TABLE(ポーラ トーカーズ テーブル)
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開催されたPOLA TALKER’S TABLEの内容をご覧いただけます。

TALKER’S TABLE REPORT
5/4(thu)

日本人として
「文化を世界へ翻訳する」

Speaker舘鼻 則孝さん

常に世界中の注目を集める気鋭アーティスト、舘鼻則孝さん。会場に飾られた作品に漂うただならぬ美しさに、目を奪われます。斬新でありながら、なぜか私たち日本人の遺伝子が懐かしさを感じるような存在感です。
「館鼻です。僕の職業はアーティストです。アーティストと皆さんの間にあるのが作品で、それはコミュニケーションツールのようなものでしょうか。作品を通して文化やメッセージを発信します」静かに語り始めた彼は、幼少時代を鎌倉で過ごしてきました。歴史や文化が内包された神社やお寺が日頃の遊び場。人形作家の母の教育方針で、欲しい人形などがあれば何でも自分で作っていたそうで、幼いうちから物作りに触れる、類まれなる環境で育ったといいます。「高校時代に美大を目指す予備校に行って、初日に挫折したんです。学校では絵が上手と言われていたのに、優秀な人が集まる予備校では全く太刀打ちできない。ショックでした。この頃に知ったのが“離れて見る”ことの大切さです。ものをどう捉えるか。対象をどう捉えるか。これは絵だけのことではなくて人生も同じで、どんなことにも当てはまります。絵も自分も、客観視すると見えてくることがあるんです」
5年にわたる予備校時代を経て、東京藝術大学へ。「当初はファッションデザイナーになりたくて、留学するつもりでした。でも、パリの専門学校に通う自分を想像して少し冷めてしまって。フランス人が自国の文化を勉強する場で、自分はなんで他国の文化を学ぼうとしているのか。まずは日本のプロフェッショナルになりたい」そんな気持ちの転機を経て、工芸科で友禅染めを専攻し古典的な技法をしっかりと学んだそう。そして卒業制作でのちの彼の代表作となるヒールレスシューズをいきなり発表し、教授陣を驚かせました(当初は、この作品に否定的な意見も多かったとか・・・)。
後半は、世界各国の美術館にも収蔵されるこのヒールレスシューズを参加者全員が順番に履き、記念撮影。その後、日本らしさについてのディスカッションが盛り上がりました。「僕は、現代を生きる人に着物を着ようとか漆を使おうと言いたいわけではないんです。日本文化としての、次のものを作りたい。日本が世界から注目をされる今こそ、新しい日本独自の価値を考えていきたいと思っています」パリで開催された文楽とのコラボ公演や、陶器で作られた椿の展示など、常に“それに触れた人の考えるきっかけ”になる作品の発表を続けていらっしゃる館鼻さん。未来への道標のように、私たちの思考が刺激され、導かれていくようです。

speaker

舘鼻 則孝

東京藝術大学では絵画や彫刻を学び、後年は染織を専攻。卒業制作であるヒールレスシューズは花魁の下駄から着想を得たものである。作品は、メトロポリタン美術館など、世界の著名な美術館に永久収蔵されている。近年はアーティストとして展覧会を開催する他、伝統工芸士との創作活動にも精力的に取り組んでいる。

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「WE/」WOMAN・EVOLUTION

女性たちが、自分の中に眠る可能性を解き放ち、
一歩前へと進むきっかけ、
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これまでの常識にとらわれずに、
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