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フィンランドから学ぶ、理想の子供教育

世界幸福度ランキングトップ5のうち4つを占める北欧。中でも世界的に注目を集めるのがフィンランドの独創的な教育制度です。ご紹介してくださるのは、自身が愛してやまない北欧の魅力を紹介する北欧専門のツアーコーディネーター、戸沼如惠さん。「フィンランドの教育が注目されたのは、2003年PISAという世界先進国の15歳を対象に行われた学力テストで世界一になったことがきっかけでした。勉強時間が最も短く、塾も予備校もないフィンランドがなぜ1位になれたのか。それは一人ひとりの基礎学力が高いからです」。フィンランドでは、“教育が人をつくり、人が国をつくる”という考えのもと、50年ほど前に国を挙げて教育改革が行われ、どんな環境に生まれても国民が等しく同じ教育を受けられる制度が確立したそうです。教師から生徒への一方的な指導ではなく、学びと実践という双方向のやりとりで自ら考え、将来を自分の力で幸せに生きていく力をつけることを目的とするもの。「今、私の家にフィンランドから来た18歳の女子学生がホームステイをしているのですが、とてもよく勉強をします。それは、何のために勉強をするのか自分で分かっているからです。偏差値をあげるためでも、有名な大学に行くためでもなく、自分がやりたいことを実現するためだということを一人ひとりが理解している。そして、フィンランド教育が素晴らしいのは、何度でもトライ&エラーができること。一回失敗したらダメではなく、失敗してもいいからやってみることが大事なのだと思います」
来場された全員参加のディスカッションが始まると、話題は教育だけにとどまらず、フィンランドの社会福祉制度、家庭と仕事を両立する働き方、上質なデザイン、そして美しい森と湖の恩恵にまで及びます。「一人の力では学校制度そのものを変えることは難しいけれど、行きつくところは家庭教育。大人には大人の意見があるように、子供には子供の言い分があります。日常生活の中で親がよく子供と話をすることで、子供が自分は親に受け入れられていると思うことが必要だと思うのですが、皆さんはどう思いますか?」と、戸沼さん。生命力溢れるグリーンアートに囲まれた空間で、教育とは、幸せとは、価値観とは、さまざまな意見が飛び出した充実のひとときとなりました。