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人と人が「一緒に生きる」
ということ

恋愛、結婚、育児、社会。人との関わりが難しく感じる今、様々な問題に真摯に鋭く斬り込む中村さんの登場です。漫画家であり文筆家であり、プライベートでは同性愛者で妻子あり、というプロフィール。この日、集まった方のほとんどは中村さんのツイッターのフォロワーや作品のファン。皆さんからは「父親との確執に長年悩んでいる。会話もなく解決に持ち込めない」「男尊女卑の環境で仕事をせざるをえないが、心乱れる。どう対処したらいいか」「新社会人だが、ジェンダーを揶揄するような無神経な言葉が行き交う社会で働くことに恐怖を感じる」など、次々に仕事や家庭での他者との関わり方への不安や問題が提起されました。1つひとつの問題に丁寧に向き合い、繊細かつ明確な言葉で語る中村さん。そこから見えた共通の大きな障害は、世間や社会に蔓延する固定観念でした。例えば“子どもを持てばわかるわよ”という親世代の決めつけや、男尊女卑思想による教育の弊害、単身者が幸せになれない仕組みの日本の婚姻制度からくる歪んだヒエラルキー、無意識下で飛び出す差別的で無遠慮な言葉の数々。それらには徹底して抗議したいと言います。「変な人だと思われても構わない。どんどんおかしいことにツッコミを入れていきます。そうして1人ひとりの固定された考えを壊せば、市民レベルでは意識が変わっていくんじゃないかと思う」。すると男性参加者からもこんな発言が。「日本男性は女性蔑視の考えの人がほとんどなので心苦しい。ただ若い男性ならなんとかなる。時代が変わるまで、女性は自分の仕事を磨いて居場所と仲間を確保してほしい。そうしてひとつの会社でも変われば、何十年後かにはなんとかなるのかも」。心強い言葉に、自然と拍手が涌き上がり、全員がほんのりとした希望に包まれました。「女性にはいろんな不利益、憤りもあると思う。大変ですけれど、頑張れば次の世代はちょっと楽になれるかな? 未来を信じて、一緒に生きていきましょう!(中村)」。