FEM CARE by POLA

Vol.3
タブーを感じない未来に向けて、小さな変化を大きなうねりへ

2023.06.30

―――この数年の活動を感じて、周囲やご自身の変化はありましたか?
馬庭
このプロジェクトが立ち上がり、フェムケアが全社的な取り組みになったことが、私にとっては一番大きな変化です。数年前は館野さんたちと「そもそも『タブーを自由に』の、タブーって何?自由って何?」という概念や定義を、時には言い合いになりながら(笑)議論していたことを思うと、感慨深いものがありますよね。

館野
本当にあの頃は大変でした!当時はまだ社内で生理のことを話しにくい雰囲気もあって、会議室も端っこの部屋を予約したり、小声で話したり(笑)。それが今は男性社員から「今、フェム(ケアプロジェクト)はどうなってるの?」と聞かれたり、アドバイスをもらうことも増えてきました。おそらく私と同じく、数年前はフェムケアという言葉すら知らなかった人もいると思うと、大きな進歩だと思います。
私自身もこの仕事を通して、フェムケアだけに限らずですが、潜在的なバイアスがかかった発言や行動をしていないか、以前にも増して考えるようになりました。よかれと思った発言や行動が、人を傷つけていることもあるかもしれないと。

片岡
私はDE&Iに取り組んでいますが、館野さんが話すとおり、バイアスをなくすという意味でも、やはり知識って必要なんですよね。ところで館野さんはこれまでの経験から、男性にアドバイスしたいことってありますか?
  • 館野
    アドバイスというほどじゃないんですけど…。でも、目の前で困ってる人がいたら、助けてあげたいってほとんどの人が感じると、私は思うんです。それが大切な人や身近な人ならなおさら。だからまずは、女性か男性かではなく、一人の人間として向き合うっていうことは、大切なのかなと思います。

馬場
うん、すごくよくわかります。実は「クラブアマゾネス」のウェビナーには、男性の参加者も多いんです。「奥さんが辛そうだから、更年期のことを知りたい」って。それって目の前の大切な人と向き合っているからなんですよね。最近は「クラブアマゾネスで、何か僕にもできることはありますか?」みたいなコメントをくださる男性もいるんです。だからこそ、今度は私たち女性が、男性の更年期について学ぶのもありかなと画策しています。
あと最近は「辛い話ばかりだけではなくて、明るく前向きになれる企画もしたい」という声もあるんです。更年期を切り口に、不眠解消のヨガや、心まで前向きになれるメークの会とか。
―――この先の話が出てきたところで、ポーラとして今後取り組みたいこと、目指す未来を教えてください。
馬庭
今後の課題として、フェムケアをどう日常に落とし込んでいくかを考え始めています。フェムケアを謳うアイテムは、世の中にたくさん出てきています。その中で、ポーラは何ができるかと考えた時に、ポーラが扱っている「化粧品」って、使うことで前向きになれたり、気持ちがあがったりするものなんですよね。スキンケアやメーク同様、フェムケアも女性にとっては日常のこと。だからこそ、ポーラらしく、お客さまの毎日が明るくオープンになるような企画をしたいなと思っています。

館野
それと同時に、馬庭さんと最初の頃からずっと話していたのは、フェムケアは点じゃないということ。今はまだ点の活動ですが、女性のライフステージを見た時に、生理とか、妊娠出産とか、更年期とか、いろんなタイミングでいろんな悩みが出てくるわけですよね。それを見据えて、点ではなく線でサポートする、そういう取り組みをしてきたいですね。例えばそこには、子供の頃からの男女共通の教育、みたいな未来もあると思うんです。

馬場
私は、今館野さんが話した「線の取り組み」こそが、ポーラの強みでもあると考えています。ポーラは全国にビューティーディレクターさんがいて、お客さまと長いお付き合いをしている人が多いんです。お客さまに寄り添うなかで、「生理が辛い」とか「妊娠後の仕事のことで悩んでいる」とか、そういうライフステージごとの悩みをお聞きすることも多々あります。そこをこのプロジェクトがサポートできるんじゃないかと。つまり、ビューティーディレクターさんがフェムケアについて学べる場をつくれたらと思っているんです。

片岡
それ、素敵ですね!彼女たちは、フェムケアの先輩でもあるし、プロジェクトが発信したことを、全国に届けてくれる存在でもあるんですよね。ぜひ実現させたいですね!
今、ポーラは全社的に、フェムケアに本気で取り組んでいることを、私たちプロジェクトメンバーはひしひしと感じています。まだまだ点の動きですが、共感の連鎖を広げて、このプロジェクトのキーワードの「ガマンを答えにしない」世界を一緒に実現していきましょう。