生理用ナプキン設置が生んだ、小さいけれど価値ある変化
2023.06.30

企業のフェムケアへの取り組みの象徴でもある、福利厚生や人事制度。ポーラはこの数年、さまざまな制度やサービスを導入し、女性支援や環境改善に取り組んできました。ここでは、女性トイレへの生理用ナプキン設置を担当した若手社員が、その道のりと社員の変化を語ります。
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人事戦略部
ワーキングイノベーションチーム
鈴木ひな
2021年入社。「社内で女性の健康課題がタブー視されている現状を変えたい」という想いの第一歩として、女性トイレへの生理用ナプキン設置を実現。
―――ひとりの声から始まった、ナプキン設置への道。
私が2021年に入社した時、ポーラ人事制度の女性支援には、子宮がん検診や子宮エコー、乳がん検診の無料化、産業医の婦人科の先生のカウンセリングなど、すでにさまざまな制度がありました。当時は、ちょうどフェムケアやフェムテックが話題になり始めた頃。チームの先輩たちは、「もっと女性の日常に寄り添いたい」「生理痛の時に上司に正直に話せない環境を変えたい」といった想いを抱え、人事として何かできないか検討を始めていたんです。そんな時、ある女性社員から「生理用ナプキンをトイレに設置してほしい」という声が…。確かに、突然生理になってもナプキンを買いに行くのが難しい場合があるし、生理中はトイレに行くたびにポーチを取り出すのにも気を使います。こういう小さな居心地の悪さが、生理などの女性の健康問題について語れない雰囲気や、ひいては自分らしくいられないことにつながるのかも…。だとしたら、これはすぐに取り組むべき課題だと考えました。そこで、チームの上長に相談。すると、「いいよ、やろうよ!」と快諾で、トントン拍子に話が進み、設置に向けて動き出すことになりました。
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―――まだ世の中にないサービスだけれど…挑戦したい!
実はそこからが大変で(笑)。調べていくうちに、生理用ナプキンは薬機法の医薬部外品の規制を受けているため、取り扱いや設置方法など衛生面に気を配る必要があることがわかりました。そうであるならば、専門のサービスを利用しようということになり、数社のプラットフォームを検討し始めました。ところが当時はどの会社も「これからサービスをスタートします」という段階。装置自体がまだないところもあったんです。
そんななかで現在お世話になっているOiTr(オイテル)さまにお願いすることを決めたのですが、OiTrさまのシステムは商業施設用だったため、会社の福利厚生用にカスタマイズしてもらうなど、かなり調整をしていただきました。最初は、本当に安定した運用ができるのかな?とドキドキしていましたね(笑)。でも、それは、ポーラが他社に先駆けて、福利厚生として生理用ナプキンの設置に取り組んだからのこその緊張感。今は本当に、挑戦してよかったと思っています。
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―――会社が動くと風土が変わる。男性社員にも変化の兆しが。
消費個数を見ていると、確実に利用していただいていますし、「あって助かりました」「絶対になくさないでほしい」という声をたくさんいただいています。それと思わぬ反応で嬉しかったのは、男性社員がこの取り組みに興味を持ってくれたことです。「それってどんな装置なの?」「スマホのアプリでどうやったら出てくるの?」 -
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―――会社が動くと風土が変わる。男性社員にも変化の兆しが。
消費個数を見ていると、確実に利用していただいていますし、「あって助かりました」「絶対になくさないでほしい」という声をたくさんいただいています。それと思わぬ反応で嬉しかったのは、男性社員がこの取り組みに興味を持ってくれたことです。「それってどんな装置なの?」「スマホのアプリでどうやったら出てくるの?」など、最初は装置への興味だったと思うんですが、たとえそれがきっかけでも、これまで公の場では出なかった生理やナプキンという言葉が言える環境になったというのは、価値のある変化だと思っています。誰か一人が「生理の話をもっとオープンにしよう!」と言ってもなかなか定着しませんが、会社が動くと自然とそれが風土になっていく…。そしてそれこそが「人事戦略部がフェムケアに取り組む意義」なのだと、強くやりがいを感じた出来事でした。
など、最初は装置への興味だったと思うんですが、たとえそれがきっかけでも、これまで公の場では出なかった生理やナプキンという言葉が言える環境になったというのは、価値のある変化だと思っています。誰か一人が「生理の話をもっとオープンにしよう!」と言ってもなかなか定着しませんが、会社が動くと自然とそれが風土になっていく…。そしてそれこそが「人事戦略部がフェムケアに取り組む意義」なのだと、強くやりがいを感じた出来事でした。
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―――もっと楽しく、知りやすく!周囲の人の「自分ごと化」を目指して。
私が入社してからの3年の間に、生理用ナプキンの設置以外にも、Cradle(クレードル)さまのサービスを活用した女性の健康課題に関するウェビナーの開催や、不妊治療などの医療サポートといったさまざまな取り組みが始まりました。社員からは「ここまで考えてくれているのが嬉しい」「会社が誇らしい」という声もいただいていて、本当に嬉しく思います。
その反面、まだまだ当事者だけの悩みケアで終わっているなと感じることも…。本来は生理のことも、不妊治療も、更年期も、周囲の人が理解してはじめて寄り添えることだと思うんです。周囲の人が、知識を得て自分ごと化していくためにも、何かもっと楽しく取り組める方法はないかなと、今、先輩たちと画策中です!さらにその先には、寄り添うだけではない、時短勤務やシフト勤務など、人事制度や働き方のシステムとしてのサポートも必要になってくるはずです。そこはまだまだ難しい問題が山積していますが、人事に携わる以上、常に見つめていきたい未来だと思っています。
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オイテル株式会社
https://www.oitr.jp/
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オイテル株式会社
https://www.oitr.jp/ -
株式会社Cradle
https://app.cradle.care/ -
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株式会社Cradle
https://app.cradle.care/