POLA WELLNESS CATALOG 2024 AUTUMN & WINTER
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特に女性の人生に関わる整形外科疾患に力を入れているゆりクリニック院長矢吹有里先生に、女性の加齢と骨の関係や、ずっと美しく健康でいるためのコツを伺いました。皆さんは骨について考えたことがあるでしょうか? 骨折経験や疾患のある方でなければ、自分の骨の状態を把握していたり、骨ケアを心がけている方は少ないでしょう。けれど骨はまさに体の「屋台骨」。骨がしっかりしていなくては、体は成立しません。また近年では、ホルモンを出したりカルシウムを蓄えるなど臓器のひとつと考えられつつあります。さらに美容面でも、美しく立ち歩くこともたるみの少ない顔立ちも、骨がしっかりしていてこそ成り立つのです。特に女性の場合、人生を通して骨と深い関わりがあります。人は新生児の軟らかい骨からどんどん丈夫になり、20歳頃に最も骨密度が高まります。その後はエストロゲンの働きで安定するものの、40代頃エストロゲンが減少し始めると骨量も減少、閉経の前後で20%ほども下がるのです。それ以降も減少し続けます。出典:骨量は文献1より、女性ホルモン(エストロゲン)は文献2より一部改変文献1/鈴木隆雄.骨量の自然史と骨粗鬆症,骨折の予防戦略.日臨床 2004;62(増2):225-32文献2/女性の生涯健康手帳, 厚生労働省, (https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/dl/s0613-8e.pdf), p23-24 骨を鉄筋コンクリートの建物に例えると、骨密度はコンクリートに、骨質は鉄筋にあたります。コンクリート量だけを増やしても強度は上がらず、鉄筋で強化することではじめて頑丈になるように、ベースとなる骨質も重要です。骨密度も骨質も、早めのケアで減少を緩やかにすることはできます。骨密度は病院や自治体でも測る場がありますので、閉経前後に測定するのがおすすめ。「骨貯金」をするつもりで、早いうちから骨ケアを意識した運動や食事を心がけましょう。骨量と女性ホルモン分泌量の変化最大骨量10エストロゲン分泌量203040閉経(平均50.5歳)骨量5060(年齢)7骨を考えることはいつまでも美しく健やかに生きていくこと女性ホルモンと骨密度には抗いがたい密接な関係が矢吹有里先生ゆりクリニック院長。東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科などを経て、東京都済生会中央病院整形外科医長に。整形外科疾患の中にも女性特有のものが多いことを実感し、2017年11月、女性のための「ゆりクリニック」開院。運動器リハビリテーションから体力維持のためのトレーニングまで、女性の健康に寄り添うほか、「骨美容」を提唱し、若い世代からの骨密度維持の大切さを啓発している。骨密度はもちろん骨質も重要早めに骨ケアをスタートなかなか意識することのない骨だからこそ小さなサインを見逃さないこと

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