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3月8日 国際女性デー 新聞広告

ひとりの女の子を変えた、ひとりの女性の話 女性なのに、という壁がある。女性だから、という天井がある。経済、政治、教育…さまざまなシーンでの男女格差は根深い。世界経済フォーラムが発表するジェンダー・ギャップ指数は、2020年、日本は153カ国中121位だった。解決のためには、単なる『意識の変革』だけでは追いつかない。『意思のある行動』が必要だ。
女性というだけでハンデを背負う国で、そこに貧困やDVといった別の問題が重なる。さらに出口が見えず、負の連鎖に陥ってしまう女性は少なくない。POLAの関西エリアでオーナーを務める小田原香衣は、さまざまな境遇の女性たちの問題を解決するため、具体的なアクションを起こしてきた。経済面・精神面での自立支援を行い、昨今では児童養護施設の若者たちへの取り組みが始まっている。
POLAには、働きながらエステティシャンになれる教育制度がある。それをもっと活用すれば、女性たちの自立支援につながるのではないか。彼女はある日、その考えにたどり着いた。「きっかけは数年前、うちで働いていた女性スタッフが『やっと奨学金、返済できたー!』って晴れ晴れした顔で教えてくれたんです」。その女性スタッフは、美容系の専門学校に入学した。同時期に、親が離婚。奨学金で授業料を払いながら、生活費のためにアルバイトに追われた。卒業しても、10年以上もの奨学金返済が待っていた。「それを聞いて、すごく自分の中で感情がゆさぶられたんです。その10年は、その子にとっては一度きり。もし、私たちの制度を活用してたら、違う10年を築けたんちゃうか。いろんな可能性に時間を使えたんちゃうかって」。そう思い立ち、彼女は奔走する。
さまざまな若い女性たちを積極的に支援した。中には、それまでの生い立ちから、大人に不信感を抱く若者もいる。粘り強く向き合うが、ある日突然出勤しなくなるケースもあった。「このままにしたらあかん!そういう子は追っかけます。ほんまに大変なんやけど(笑)」。1ヶ月連絡をとり続け、戻って来た人もいたという。どうして、そこまで出来るんですか?素朴な疑問をぶつけてみる。「もちろん、気持ちが届かないこともあります。でも、10人いたら1人には届く。だから、信じたいんでしょうね」。
今、彼女のアクションは、新しい広がりを見せている。児童養護施設への働きかけだ。施設の子どもたちのほとんどは、高校卒業と同時に施設を退所する。進学にはさまざまな制度があるが、就職は違う。しっかりと相談できる相手もいないまま、仕事に情熱を持てなくなる場合も多いという。「就職してからドロップアウトする子もいるそうなんです。彼女らを食い止めてあげる、最後の砦のような存在とも出会いにくいそうで…」。この人は裏切らない、絶対的な安心をくれる大人。人が成長するときには愛が必要だ、と彼女は言い切る。「ただただ、向き合い続ける。それが人に対して、私がいちばん大切にしたいこと。相手のことを知りたいし、わかりたい。それをあきらめたくない」。泥臭いですよねと、笑った。
施設で開かれる夏祭りにも足を運ぶ。昨年はコロナの影響で中止になってしまったが、そこで子どもたちとの接点が生まれる。髪を結ったり、肌のお手入れを一緒にしたり、お母さんに教えてもらうようなことが多い。「再開したら?もちろん、行きますよ!」さらに、施設の子を対象にした職業体験も行っている。働く楽しさや目標を持つ喜びを伝えたい、その一心で始めた。「施設への取り組みは、スタートしたばかり。働くって、こんなに楽しいんや。そう思ってくれる子が一人でも増えたら嬉しいですね」。
「私は、一緒に働く子たちは娘やと思ってるんです」。だからこそ、たくさんのことを経験してほしい、制限はいらない、彼女にはそんな想いがある。「勉強、仕事、結婚、出産、やりたいことを自由に。もっと欲張りでええやんって。あぁ面白かった、幸せやった。最後にそう思える人生であって欲しい。親やったら、誰もが自然に思うことですよね」。女なのに。女の子だから。そんな壁をひとつひとつ取り払ってあげたい、と。
社会をよくしたい。けれど、それには個人の力では遠く及ばない。だから、目の前にいる一人の女性を幸せにしたい。頼れる相手がいない、大人を信用できない、道に迷いそうになっている…。さまざまな女性が、彼女の元には集まる。その姿は、本当にみんなのお母さんのようだ。「そうあれたらいいなぁ」と照れながら、母の日の娘たちとのエピソードを教えてくれた。ささやかだけれど、気持ちのこもったプレゼントを貰ったことを。すべての女性の可能性を広げたい。その想いが、今日も彼女を動かしている。
「女性に生まれてよかったって、思えたことが無かったんですよ。でも、自分が女性というのは変えられへんのやから、その可能性を活かしきって生きたらいいんや。この場所に入って、初めて気づけたんです」。最後に、彼女は胸をはって言った。女性に生まれてよかった、心からそう思えると。
今日、3月8日は国際女性デー。女性の可能性について、一人ひとりが考える日です。意識の改革はもちろん、より大きな前進のために。 具体的なアクションが、いる。それこそが、POLAの『ケアする』という意思です。もっと、課題の現場へ。もっと、女性の可能性をケアする会社へ。女性という性別だけではなく、自分は女性と自認する人すべてのために。一人ひとりが動く。ひとつひとつ、動かすために。
We Care More.
POLA



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