POLA TALKER'S TABLE(ポーラ トーカーズ テーブル)
LINEで送る

POLA TALKER’S TABLE

開催されたPOLA TALKER’S MUSEUMの内容をご覧いただけます。

POLA TALKER’S MUSEUM REPORT

2/25(sat)

“アート”と“ひらめき”

Speaker 清水 はるみさん
川合 穂波さん

日曜の午前、二子玉川の蔦屋家電で行われた『POLA TALKER'S MUSEUM』。第2回のスピーカーは、会場内の展示写真を手がけた清水はるみさんと川合穂波さんです。大学在学中に心理学や哲学とともに写真論を勉強した清水さんは、自然や自然現象のなかに創作のヒントを得るそう。「例えば人からなぜ尻尾がなくなったのか、カミナリはなぜ落ちるのか、自然には実はハッキリ解明されていないことが多いんです。ヒトデは手先全部に目がついていますが、そういう生き物の思考はどうなっているのか? そうしたことを考えて突き詰めてみたくなったら旅に出て写真を撮ります。また溶岩や化石をたくさん集めてみたとき、自分の中から何が出てくるか。そんな実験的なことも好き。AIに対抗できるのはこういう部分の人間の面白さかもしれません」。
一方、東京芸大で先端芸術を学んだ川合さんは、情報を大量にインプットすることに情熱を費やします。「子どもの頃からTVが好きで、今も家にいれば一日中見ます。同時に読書もして、ネットで映画や音楽、絵画はもちろん、あらゆることをインプットします。外食したらメニューは隅々まで見ないと気が済まない。そうして集めた情報が夜空に光る満天の星のごとく散りばめられたら、ふとそのなかに星座が見えることがある。そんなときにひらめきを感じます」。
今回の展示写真は、タブレットを通して観ると写真に変化が生まれるAR(拡張現実)作品。清水さんの作品は、イタリアで発見された古文書『ヴィオニッチ手稿』に描かれている植物がモチーフ。電話の受話器をとる女性、キャビネットに置かれた静物などを写した画面にタブレットをかざすと、そこに幻想上の植物が紛れ込みだします。「植物というのは昔あった種がなくなったり、新しい種が生まれたり、衰退も進化も激しいんです。古文書にかつて描かれたような植物が、もしかしてこれから生まれるかもしれない。そんな発想で写真を撮ってみました」。川合さんは、写真と絵画のつながりに着目。たくさんのガラスの小物が光輝く静物写真、そして花柄の布を背に立つ女性の肖像写真にタブレットにかざすと、音楽とともに画面に雫が流れ出し、いつしか絵画に変化します。「今はアプリなどもあり写真と絵画の境目が曖昧な時代ですが、かつてはフェルメールもレンズを使って絵を描いたことで知られます。私は“光”と“色”をテーマに、頭に描いた世界を写真に、写真を絵画にするという作業で制作。写真と絵画で同じイメージを反復することで違う物が見えてくる面白さを追求してみました」。
清水さん、川合さんも積極的に解説してくださるなか、ARという表現の新鮮さと奥深さに、タブレットをかざしたりはずしたりと何度も繰り返し作品を眺める皆さん。イベントが目に留まり飛び入りで参加してくださった方も続々。終了後も鑑賞される方が後を絶たず、AR作品の持つアートの新たな魅力との出会いが、いつまでも続く会となりました。

speaker

清水 はるみさん
清水 はるみさん(フォトグラファー)

東京在住。お茶の水女子大学卒業。主な個展は「OPEN FRUIT IS GOD」(2015年/gallery blanka)、「icedland」(2014年/Place M)。主なグループ展は「LUMIX MEETS BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #4」(2016年/アムステルダム、パリ、東京)など。新進気鋭のフォトグラファ―が新鮮な視点から切り出す情景、そこに現れる色に心奪われる。

speaker

川合 穂波さん
川合 穂波さん(フォトグラファー)

愛知県生まれ。東京藝術大学先端芸術表現科学部修士卒。株式会社アキューブ所属。現在広告写真家と並行して作家活動を行う。絵画を写真に、写真に絵画を組み合わせる独特のスタイルで注目される。一貫したテーマは象徴と信仰。 2018年3月には東京都池上Panta Rhei Craft&Artsにて個展を開催予定。

戻る

ページの先頭へ