開催中の展覧会 詳細
桐島洋子 骨董物語
展覧会について
骨董品の見た目の美しさだけではなく、その物の持つ物語に耳を傾けることにより、骨董の魅力を探ります。
桐島洋子氏のコレクションを通じて、氏の「美」に対する思いや考え方などを学び取り、「物」を見る目の確かさを養える展覧会です。
私が骨董蒐集を始めたのは、ようやく子育てを終えた五十代、つまり自分が骨董の仲間入りを始めた頃である。エイジング、すなわち人生の熟成は神の祝福だと思っている私にとって、歳経るほどに輝きを増し、味わいを深める骨董との付き合いは何よりの励みになる。隙間産業というのがあるが、私はさしずめ隙間コレクターだろう。富も権威もコネクションも縁のないしがない物書きが、美術館や富豪に対抗できるはずもないから、ひたすら眼を瞠り直感を研ぎ澄まし、地を這うようにして落ち穂拾いを楽しんで来た。どんなにささやかな骨董も、人生と同じように飽きることのない物語の結晶なのだ。
桐島洋子

ウィーンのアール・ヌーボーグラス
撮影/久間昌史『骨董物語』(講談社刊)より
作家プロフィール
桐島 洋子(きりしま ようこ)
1937 年東京生まれ。1956 年から文藝春秋に勤務、1964 年からフリーライターとして海外各地を放浪。1972 年に「淋しいアメリカ人」で第3 回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。クリスマスに日本へ戻る客船上で、次女ノエルさんを産んだエピソードは有名。
著書は「わが愛の航海記」との副題を持つ「渚と澪と舵」(文集文庫)、「マザー・グースと三匹の子豚たち」 (グラフ社)、「残り時間には福がある」(海竜社)など多数。

写真/今泉慶子