Press Release
 
NO16R119
平成16年12月1日
開館3周年記念展

ポーラ美術館の印象派

モネ、ルノワール、セザンヌと仲間たち

 

2005年1月16日(日)〜8月28日(日)

ピエール・オーギュスト・ルノワール《レースの帽子の少女》
ピエール・オーギュスト・ルノワール《レースの帽子の少女》
1891年、油彩/カンヴァス

 財団法人ポーラ美術振興財団ポーラ美術館(館長植木浩)は、2005年1月16日(日)から8月28日(日)まで、「開館3周年記念展ポーラ美術館の印象派モネ、ルノワール、セザンヌと仲間たち」展を開催いたします。2002年9月、箱根仙石原に開館したポーラ美術館は、モネ、ルノワールなどの印象派から、セザンヌ、ゴーガン、ゴッホなどポスト印象派、モディリアーニやシャガールらエコール・ド・パリの画家たちの絵画、ピカソ、マティスらの20世紀絵画にいたるまでの西洋の近代絵画の流れを網羅する西洋絵画約400 点を中心に、日本の洋画、日本画、版画、彫刻、東洋陶磁、日本の近現代陶磁、ガラス工芸、古今東西の化粧道具など、約9,500点を収蔵しております。
 開館3周年を記念する本展では、コレクションの中心となるモネ、ルノワール、セザンヌをはじめとする印象派の画家たちとその周辺の画家・彫刻家たちの名作の数々を、芸術家たちの交流に焦点をあてた構成でご紹介します。
 1874年、写真家ナダールのスタジオで、「画家、彫刻家、版画家などによる共同出資会社第1 回展」が開催されました。後に、「第1回印象派展」と呼ばれるようになった、前衛的な画家たちによるグループ展です。モネやルノワール、ドガ、ピサロ、セザンヌなどが参加し、作品を発表しました。このグループ展は、1886年まで計8回開催されました。この8回にわたる印象派展を縦軸に、若かりし頃、イーゼルを並べたモネとシスレー、ルノワール、酒場や劇場など近代の都市生活の情景を描いたドガとトゥールーズ=ロートレック、ピサロと最後の印象派展に参加した若いスーラやシニャックなど、芸術家たちの人間関係を横軸に織り交ぜながら、印象派の全容をご覧いただくものです。

【開催概要】

■展覧会名 開館3周年記念展 ポーラ美術館の印象派 モネ、ルノワール、セザンヌと仲間たち
■主催 財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
■作品点数 約90点(展示替作品含む)
■会期 2005年1月16日(日)〜8月28日(日)
■会場 ポーラ美術館 展示室1・2(地下1階・2階)
〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
TEL 0460-4-2111 / FAX 0460-4-3108
ホームページ http://www.polamuseum.or.jp
■開館時間 午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
■入館料
  個人 団体(15名以上)
大人 1,800円 1,500円
大学・高校生 1,300円 1,100円
中学・小学生 700円 500円
※料金はいずれも消費税込み
※中学・小学生の入場については土曜日は無料です。また小中学生が授業の一環として観覧する場合、小中学生及び引率j教員等の入場は無料です。

展覧会の構成とみどころ

 本展は、「1.マネと印象派の誕生」「2.モネとシスレー」「3.セザンヌ」「4.モネとロダン」「5.ルノワール」「6.ドガとトゥールーズ=ロートレック」「7.ゴーガンとファン・ゴッホ」「8.ピサロと最後の印象派展」の8つのテーマにより構成されています。
1.マネ
 1863年、 1枚の絵が大きなスキャンダルを巻き起こしました。エドゥアール・マネ(1832〜1883)の《草上の昼食》(オルセー美術館蔵)です。ルネサンス以来の伝統的な画題を、郊外の行楽地で興じる現代生活の一場面に置き換え、明るい色調と軽快な筆づかい、平面的な表現によって描かれたこの作品は、伝統的なアカデミーに属する芸術家や批評家たちから激しい非難と攻撃を受けます。その一方で、既存の絵画やサロン(官展)など、当時の美術をめぐる制度に不満を抱いていた若い画家たちから熱烈な称賛を受けました。彼の周りには若い画家たちが集い、カフェで芸術について議論を戦わせました。この若い画家たちは、1874年、後に「印象派展」と呼ばれる「画家、彫刻家、版画家などによる共同出資会社第 1回展」を開催します。しかし、マネはサロン (官展)にこだわり、印象派展に加わることはありませんでした。

【おもな作家と作品構成】
マネの絵画2点

エドゥアール・マネ《サラマンカの学生たち》
エドゥアール・マネ《サラマンカの学生たち》
1860 年、油彩/カンヴァス

2.モネとシスレー
 印象派展の開催に尽力した画家のひとりが、クロード・モネ(1840〜 1926)でした。若き日のモネは、ウジェーヌ・ブーダン(1824〜1898)らと出会い、外に出て明るい外光のもとで作品を描くことを学びます。モネは、うつろいゆく光と大気を描きとめることを追究し、パリ生まれの英国人アルフレッド・シスレー(1839〜1899)は、空を中心とした構図を用いて雲の変化を追い求めました。シスレーが、「空の画家」と称される所以です。二人は、自然の風景だけでなく、近代化していく都市の風景や都市に住む人々が訪れる行楽地の様子にも目を向けました。

【おもな作家と作品構成】
モネ、シスレー、ブーダン、ギヨマンの絵画14点

アルフレッド・シスレー《ロワン河畔、朝》
アルフレッド・シスレー《ロワン河畔、朝》
1891 年、油彩/カンヴァス

3.セザンヌ
 「近代絵画の父」と称されるポール・セザンヌ(1839〜1906)は、ピサロから戸外制作を、マネに出会って近代生活を描くことを学びましたが、洗練されたマネとは意見があわず、二人の交友は長くは続きませんでした。ピサロやルノワール、モネとともに印象派展に参
加しますが、しだいに印象派の影響から離れていきます。セザンヌは、故郷であり、豊かな自然と明るい陽光に満ちた南仏プロヴァンスで絵画の造形性の探究に取り組むようになります。そして、彼は自然の本質を明るい色彩と堅固な形態によって構造的に描くとい
う独自のスタイルを生み出しました。

【おもな作家と作品構成】
セザンヌの絵画9 点

ポール・セザンヌ《ラム酒の瓶のある静物》
ポール・セザンヌ《ラム酒の瓶のある静物》
1890 年頃、油彩/カンヴァス

4.モネとロダン
 1889 年、モネとオーギュスト・ロダン(1840〜1917)は、パリ万国博覧会の開催にあわせて、ジョルジュ・プティ画廊で二人の展覧会を開催します。すでにこの頃、ロダンは公的な記念碑像を手がけるなど、国家にも認められた彫刻家としての地位を確立していました。この彫刻の巨匠・ロダンとの展覧会は、モネが絵画の巨匠としての地位を確立する絶好の機会でした。モネは、この展覧会で初期作品から近作にいたる計145 点を展示し、ロダンは1880 年代に制作した36 点の作品を展示しています。モネが自分のそれまでの全画業を公開したということ、そしてその評価を不動のものとしたという点で、ひじょうに重要な展覧会となりました。

【おもな作家と作品構成】
モネの絵画13 点、ロダンの彫刻2 点
クロード・モネ《睡蓮の池》
クロード・モネ《睡蓮の池》
1899 年、油彩/カンヴァス
オーギュスト・ロダン《カレーの市民》
オーギュスト・ロダン
《カレーの市民》(第二試作)
1885 年、ブロンズ
5.ルノワール
 ピエール・オーギュスト・ルノワール(1841〜1919)は、若い頃にパリ郊外のフォンテーヌブローの森やセーヌ河のほとりでモネをはじめとする仲間たちと戸外制作を行っています。やがて、モネが光あふれる風景を描いたのに対し、ルノワールはやわらかなタッチと色彩によって、肖像画や裸婦など、おもに人物を描くようになります。第1 回目の印象派展では展示責任者を務め、重要な役割を果たしますが、サロンでの成功により、しだいに印象派展と距離をおくようになります。晩年は国家に作品が買い上げられるなど、成功と栄誉を手に入れました。

【おもな作家と作品構成】
ルノワールの絵画、彫刻12 点
6.ドガとトゥール−ズ=ロートレック
「印象派」と呼ばれる画家たちは、戸外制作で大気や光を描きとめようとするとともに、産業革命や鉄道の発達により、変わりゆく都市生活とそこに生きる人々の日常生活の何気ないひとこま、瞬間的な表情を描きました。エドガー・ドガ(1834〜1917)とアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864〜1901)は、19 世紀の首都パリに生きる人間の姿を見つめた画家
です。彼らはカフェや劇場、競馬場などで娯楽に興じる人々の様子を描いた風俗画や肖像画を制作しました。また日本の浮世絵や発明されて間もない写真に影響を受け、中心を外した構図や人物像のクローズアップなど、斬新な手法による作品を残しています。

【おもな作家と作品構成】
ドガとトゥールーズ=ロートレックの絵画、版画、彫刻16 点(展示替作品を含む)

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《楽屋の踊り子》
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
《楽屋の踊り子》
1885 年頃、油彩/石膏(板に貼付)

7.ゴーカンとファン・ゴッホ
オランダ生まれのフィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890)は、パリに出て絵画を学びますが、印象派や日本の浮世絵に影響を受け、明るい色彩と感情が表現された作品を制作しました。1888 年、ゴッホは明るい陽光を求め、南仏アルルへと向かいます。芸術家コロニーを形成しようと夢見ていたゴッホは、ポール・ゴーガン(1848〜1903)を呼び寄せ、二人の共同生活による絵画制作が始まります。しかし、意見の対立により争いが絶えず、ゴッホの耳切り事件で約2 カ月間の共同生活は幕を閉じました。ゴーガンは、その後、文明化していない熱帯の楽園タヒチに移住し、原色を用いた明るい色彩を用いて文明社会に疑問を投げかけ、人間性を追究した作品を残しました。

【おもな作家と作品構成】ゴーガンとファン・ゴッホの絵画7 点(展示替作品を含む)
ポール・ゴーガン《小屋の前の犬、タヒチ》
ポール・ゴーガン《小屋の前の犬、タヒチ》
1892 年、油彩/カンヴァス
 フィンセント・ファン・ゴッホ《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》
フィンセント・ファン・ゴッホ
《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》
1888 年、油彩/カンヴァス
8.ピサロと最後の印象派展
1886 年、第8 回目の印象派展が開催されました。ここでは、新しい表現様式を用いた絵画が展示されました。それは、ジョルジュ・スーラ(1859〜1891)とポール・シニャック(1863〜1935)の、科学的な色彩理論に基づく、明るい色彩と細かい点描による作品でした。彼らは「新印象派」と呼ばれるようになります。スーラやシニャックを印象派展に誘ったのがカミーユ・ピサロ(1830 〜1903)でした。スーラの新しい絵画理論に賛同したピサロは、他の画家たちの反対を押し切り、彼らを印象派展に参加させるとともに、自らも点描技法を用いた作品を残しました。このとき、象徴派の詩人や文学者とも交友していたオディロン・ルドン(1840〜1916)も参加しています。多様な作品が展示された最後の印象派展は、新たな芸術を予告するとともに、一時代の終焉を示すものでもありました。

【おもな作家と作品構成】
ピサロ、スーラ、シニャック、ルドンの絵画13 点(展示替作品を含む)

カミーユ・ピサロ《エラニーの花咲く梨の木、朝》
カミーユ・ピサロ《エラニーの花咲く梨の木、朝》
1886 年、油彩/カンヴァス

オディロン・ルドン《イカロス》
1890 年頃、油彩/紙(カンヴァスに貼付)

オディロン・ルドン《イカロス》

★ギャラリートークのご案内
展覧会会期中、ギャラリートークを開催いたします。当館学芸員によるギャラリートークは、展覧会を構成するテーマ別の内容となっております。各回ともに、画家の生涯や作品の背景、みどころなどを講堂でご説明したのち、展示室で実際に作品をご覧いただきながら解説をいたします。また、7 月16 日(土)には、東京大学の三浦篤氏を講師にお迎えし、「スペシャルギャラリートーク― マネを中心として」を開催いたします。
各回ともに14:00〜15:00。先着30 名様。美術館入館券が必要になります。
・第1回 1月29日(土) 「モネとシスレー」(講師:佐藤みち子)
・第2回 2月26日(土) 「セザンヌ」(講師:奥村まき)
・第3回 3月26日(土) 「ルノワール」(講師:岩崎余帆子)
・第4回 4月23日(土) 「ゴーガンとファン・ゴッホ」(講師:今井敬子)
・第5回 5月24日(火) 「ピサロと最後の印象派展」(講師:今井敬子)
・第6回 6月14日(火) 「モネとロダン、モネの技法」(講師:荒屋舗透、内呂博之)
・第7回 7月16日(土) スペシャルギャラリートーク マネを中心として(講師:三浦篤/東京大学)
・第8回 8月2日(火) 「ドガとトゥールーズ=ロートレック」(講師:岩崎余帆子)

※都合により講師は変更になる場合がございます。

ポーラ美術館 その他の展示と次回企画展のご案内

 ポーラ美術館は、モネやルノワールなど印象派を中心とした西洋絵画から、日本の洋画、さらに日本画、版画、彫刻、東洋陶磁、日本の近現代陶磁、ガラス工芸、化粧道具にいたる約9,500点の作品を収蔵しています。展示室 3−5では、さまざまな分野の収蔵作品を特集して展示いたします。

◆絵画特集展示:「開館3周年記念 ポーラ美術館 名作選」(展示室3)

 ポーラ美術館では開館 3周年を記念し、選りすぐりの絵画を、「女性像」と「風景」という二大テーマにそって展示室 3でご紹介いたします。前期展示『女たちの肖像』(2005年 1月 13日(木)から5月 17日(火)まで)では、パブロ・ピカソの「青の時代」の代表作《海辺の母子像》、エコール・ド・パリの画家アメデオ・モディリアーニの《ルニア・チェホフスカの肖像》ほか、古賀春江《白い貝殻》、杉山寧《洸》など、当館コレクションを代表するさまざまな女性像をご覧いただけます。後期展示『画家たちの風景』(5月 18日(水)から8月 28日(日)まで)ではモーリス・ユトリロ《ラ・ベル・ガブリエル》、マルク・シャガール《町の上で、ヴィテブスク》、佐伯祐三《アントレ・ド・リュー・ド・シャトー》、??山辰雄《花》など、約 20点の珠玉の風景画をご紹介いたします。

◆化粧道具特集展示「ヘアモードの時代-ルネサンスからアール・デコの髪型と髪飾り」(展示室4)

展示室 4 では、化粧道具を展示しております。女性の髪型に焦点をあて、ルネサンス後期の16 世紀から、ロ
ココ時代の戦艦を載せた巨大な髪型、 19 世紀前半のキリンの公開を記念して考案されたア・ラ・ジラフ髷、ウェーブでデザインされたベル・エポックの髪型、アール・デコの断髪とそれぞれの髪飾り等についてポーラ・コレクションよりご紹介します。それぞれの髪型は世相を反映し、時代の美意識をあますところなく表現しています。

【おもな展示品】

ルネサンス後期からアール・デコの櫛、ヘアピン等髪飾り約60 点、各時代の資料をもとに近年再現した結髪雛型約 20 点、ヘアカタログ図版など

◆東洋陶磁特集展示:「神明(しんめい)の器 - 明器(めいき)」(展示室5)

展示室5 では、東洋陶磁コレクションを紹介しております。「明器」とは、古代中国で墳墓に埋葬する副葬品を意味し、死者に供える器や人をかたどった像などがつくられました。漢・唐時代に盛んにつくられた《加彩舞女俑》などは、女性のファッションやヘア・スタイルなど当時の風俗を伝えています。

<次回企画展のご案内>
2005 年9 月3 日(土)より、「黒田清輝、岸田劉生の時代―コレクションにみる明治・大正の画家たち」展を開催いたします。ポーラ美術館のコレクションには、日本近代洋画の名品も数多く含まれています。この企画展では、その中から明治・大正の画家たちによる名品を特集展示し、新たな視点から洋画の流れをとらえ、わかりやすくご紹介します。

【おもな出品予定作家】
小山正太郎、黒田清輝、岡田三郎助、萬鐡五郎、岸田劉生、村山槐多などの絵画・彫刻約60 点
 
【この件に関するお問い合わせ】
株式会社ポーラ化粧品本舗 広報部:堀、福田 TEL 03-3494-7123 / FAX 03-3494-7640
ポーラ美術館 広報事務局 担当:三井、小椋、大沢 TEL 03-3573-9823 / FAX 03-3574-1005