サンスクリーン剤の多くは、撥水性(ウォータープルーフ性)とさっぱりとした使用性を持たせるためにシリコーン油を基剤としながら、最近では安全性の観点より紫外線吸収剤を配合せず、紫外線散乱剤だけで開発されています。紫外線散乱剤はUVAをカットする「酸化亜鉛」とUVBをカットする「酸化チタン」に分けられ、一般的に高SPFを達成するためにはこの「酸化チタン」を高配合する必要があります。しかしその反面、酸化チタン特有の「白くなる」といった仕上がりの悪さが問題となります。塗布時の白さを改善して透明性を向上させるには、酸化チタンを微粒子化させる必要がありますが、細かくしすぎると紫外線カット効果が低下してしまうため、粒子サイズが塗布時の透明性と高SPFを達成する上で非常に重要なファクターになります。
従来の酸化チタンは肌に塗布した際、粒径が大きいために白くなるだけではなく、図1のように隙間が多くなり肌を遮蔽しきれません。しかし、最適に微粒子化することにより透明性が向上するだけでなく、肌上で密に配列するため紫外線カット効果の向上も同時に達成できることになります(図2)。
さらに、「高い透明性」と「高い紫外線カット効果」を両立するために様々な「微粒子酸化チタン」が開発されていますが、表面活性を抑制し粉体の凝集を抑制するため、通常は表面処理が施されるケースが多く、そのほとんどがステアリン酸処理です。そのため、サンスクリーン剤で主基剤となるシリコーン油への分散性が損なわれ、製品系では微粒子酸化チタンが凝集してしまい、結果的に「高い透明性」と「高い紫外線カット効果」の両立が困難になってしまいます。
そこでポーラでは、酸化チタンを10〜20nmの粒径サイズまで微粒子化することで「高い透明性」と「高い紫外線カット効果」を両立できることを見い出し、さらにその表面をシリコーン処理することにより表面活性を抑制し、「優れた分散性」と「高い撥水性」を兼ね備えた微粒子酸化チタン・ミクロカットパウダーの開発に成功しました。
ミクロカットパウダーは、超微粒子のため肌に密に付着し、薄付きで高い紫外線カット効果を有します。従来の微粒子酸化チタンと比較した結果、「高い透明性」と「高い紫外線カット効果」が確認され、試作品においても高い透明性と紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル)で高SPF(SPF:45以上、当社調べ)を実現しました(図3)。
なお、ポーラでは本技術を活用し、紫外線吸収剤フリーで高SPFのサンスクリーン剤の商品化を今春を目処に進めています。 |